巫鏡杯自戦記(後編その2)

どうも、ますたーです。

今回も前回に引き続き、巫鏡杯のレポートを書いていきたいと思います。

 

巫鏡杯自戦記(後編その2)

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※今回の記事は巫鏡杯本戦のアーカイブの内容をもとに解説しております。以下にリンクを貼っているので合わせてご覧ください。


www.youtube.com

 

準決勝:嵐面VS薙鏡(面)

 

※眼前構築は3:21:10頃から桜花決闘は3:28:30頃からになります。

 

準決勝の相手はえりんちゃん。新幕が始まって以来、長い間共にしのぎを削りあい、時に一緒に研究した間柄で、今回の巫鏡杯でも最も警戒する人物の一人でした。そんなお相手の三柱は薙鏡面。今回一人はいるだろうと思っていた三柱で、一定の検討は済んでいる三柱でした。という訳でこちらはカナヱをBANして殴り合いに挑む事を選択。相手はサイネBANを選択し、今大会初めてカナヱが返ってきました。

 

構築

 

獣爪、暴風、流転爪、風走り、大嵐、空想、脚本家

円環臨廻旋、あたらよちよに、はらからのあまつそら

 

上記の構築で気になるカードがあるかもしれませんが、それについては実際に使った場面で説明しましょう。

さて、試合の方ですが後攻を引いてしまいました。元々目標としていた動きが、1T脚本家で粒立て設置→2T大嵐で粒立て達成して緑2に進む→3T一気に間合を走り抜けるor後ろでしゃがむ→4T脚本家他、というような動きだったので後手でこの動きを踏襲すると恐らく3Tに攻め込まれてしまいます。しかし、その場合相手から前進してくれるため、逆にこちらも3T目と4T目にスムーズに殴れそうです。早い展開になって危険は増しますが大丈夫でしょう。という訳で大嵐、空想、流転爪の3枚は大嵐を一番上にしてマリガンします。まあ3枚マリガンすれば脚本家も引いてこれるでしょう。

 

獣爪、暴風、風走り

※3:28:10参照

 

脚本家くん?大事な試合で何沈んでるんですか?

しかも今まさに大嵐をマリガンしてしまったので初手にやることがありません、これはマズい。とは言えわかりやすい反応を見せると何か事件が起きたことがバレてしまうので平静を装います。(マスクの中では迫真の深呼吸をかましてました)

初ターンは相手が1宿し、こちらは1前進からスタートします。返しのターンに相手は2前進。この場面、3:30:20頃をよく見るとわかりますが相手が幻影歩法を伏せています。実はこの辺りの場面、相手視点でも想定外の動きだったために残すカードの判断が非常に難しかったと聞いています。この辺りは怪我の功名でしょう。

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返しのターンにこちらは脚本家から位置取りをセット。そしてこの位置取りは達成させずに1後退でエンドします。この後退により、相手は攻撃を通すには幻影歩法がほぼ必須となり、しかも間合4の攻撃を通すには、前進(集中)→前進(集中)→幻影歩法(前)→宿し(集中)→前進(手札)となり、結局2枚の攻撃札でしか殴れない盤面となりました。

実際、返しのターンの相手は幻影歩法を伏せてしまっていたため攻められませんでした。しかし前に出てこちらに殴られるわけにもいかない相手はここで苦肉の2枚ディスカードエンド。ちなみに試合後の話の中で、ここで1後退した方が良かったかもしれないという話がありました。実際ここで1後退されていた場合、次のターンに暴風まで振ることが出来ず、次のターンに攻めきれませんでした。しかし、その場合は一旦間合7まで前進して位置取りを進める展開になってたと思われるので、本譜以上にゆっくりした試合展開になったと予想できます。

試合の方に戻りましょう。間合8でフルリソースのこの場面ですが、後ろでゆっくりしようにも、少しでも前に出た瞬間に相手から仕掛けてくることは間違いありません。なのでここで先に危険間合を駆け抜けます。集中力で2前進してから風走りを使用。更に空想+暴風を当てて一気に間合2まで駆け抜けます。これらの攻撃を全てオーラ受けされた3:35:15のこの場面で流転爪を振るかどうか悩んでいますが、これは石突をケアすべきかで悩んでいました。最終的に伏せてる可能性が高いと踏んで流転爪を打ちましたが、ここで対応石突が飛んで来たらかなり苦しい展開となったでしょう。

 

返しのターンに相手は離脱から星の爪、更に見切りで下がってから追撃の八相八方を喰らってしまいます。しかしそれ以上の攻撃は受けなかったので、最低限の被害でターンが返ってきます。

返しのターンにこちらは前進から空想を使用。間合1に潜って位置取りを達成させます。この時、脚本家まで使用して緑2に進めば次のターンの再構成が不要になりましたが、脚本家が手札に残った状態で次ターンに再構成した方が良いと考え、脚本家は打たずに紫0に進みます。

相手は返しに手札から無音壁を展開。しゃがみのターンとなりました。

 

ここで初めての再構成が発生。トップから獣爪と空想を引いてきますが、ひとまずここは脚本化を使い、鼓動をセットします。ここで獣爪を打っても無音壁で受けられて再構成に無音壁を混ぜられてしまうので追撃はしませんでした。

相手は再構成からフルリソースのこの場面で動きます。離脱幻影歩法から星の爪使用。ここでしゃがまれると腹が立つのでオーラ受けして追撃を要求します。相手は離脱から要求通りの昏い顎3/2で2点を奪われます。相手はその場で1纏いしてターン終了。この地点で鼓動を達成したので、紫4に進んで前進します。ここが今回の構築のキモです。

次ターンの引きは暴風と風走りで今一番欲しいカードを引けました。そして3:44:45の場面、画面上見づらく解説でもスルーされたので分かりにくいですが、はらからのあまつそらを使用しました。

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このはらからのあまつそらですが、基本的にアド損カードです。2フレア消費して切り札と通常札を1枚ずつ入れ替える効果な訳ですが、最初から試合展開を読み切れているのならば、そもそも適切なカードを積めば良いからです。では何故採用したかと言えば、そこまでしてでも前半と後半で入れ替えたいカードがあるからです。今回で言えばそれが風走りや脚本家であり、これらは明確に1巡目では必要なものの、2巡目以降はその重要度が飛躍的に落ちます。しかしこれらの代わりに演出家を投入することで、後半戦の打点を大幅に上げることが出来ます。実際今回は風走りという唯一全く打点に関与しないカードを代わりに抜くことが出来ました。紫4空想で間合1を踏める体制は出来ていたので、前進力についても問題ないでしょう。

という訳で手札に加えた演出家を使用。相手のオーラを剥ぎきると、そのまま空想+獣爪で2点を返します。ここで離脱から暴風まで振りに行くと返しが怖いので纏ってエンド。次ターンにボトムにある大嵐を打ち、更に次のターンにリーサルを狙う展開を目指します。

ここで相手がドロー前に少し考えます。実際集中力がないこの場面では、安全を買うためには手札を全部伏せるくらいの勢いで纏う必要があります。その為、相手は再構成から無音壁を引きに行きます。引いてきたカードは…無音壁!しっかり引き直されてしましました。

とは言え、その引きをされたのならばやる事は猶更変わりません。トップから引いた大嵐を打ってしゃがみ返します。

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返しのターンに相手は3纏いを選択。大嵐は無音壁に入ったので相手のオーラは3になりました。

 

こちらは返しのターンに再構成。大嵐がまだ残っているので山札は4枚となり、しかもそのすべてが赤札です。この場面で一番の外れは脚本家ですが、最低1枚は2/1以上の攻撃を引けるこの場面。引いてきたカードは…

 

獣爪、演出家

※3:52:00参照

 

まさかのこの場面でまさかの理論値引きです。神かよ。あまりの強さに解説のかよーださんも素が出ていましたね。

しかしこの場面、逆にどこまで攻撃を振るかで非常に悩みました。とりあず獣爪を打つことは確定だったものの、まず流転爪を振るかで1分ほど悩みます。基本的にこの獣爪は戻したいカードなのですが、これがオーラに当たった場合、八相が簡単に作られてしまうので倒しきれなかった場合に逆リーサルの危険性が高まります。しかし、これがオーラ受けならば残りの手札的にもかなりリーサルが取れそうだったので、ここで流転爪を使い、結果これがライフに通ります。

ここから更に難しかったのが相手の対応をどこまでケアして攻め続けるかです。この瞬間に相手の対応として考慮したのが、石突、見切り、祟り神、音無砕氷、果ての果ての5枚です(残りの通常札対応は構築上入らないだろうと切りました)。この時の各対応札に対する思考は以下の通りです。

 

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石突:この場面で構えてる可能性が最も高そう。しかしこちらの攻め筋的に影響は無いので問題なし。

 

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見切り:この場面で構えている可能性は十分高い。一方で見切りを持っていると次ターンのリーサルが怪しくなるので伏せてる可能性もあるか?

 

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祟り神:あると一番キツい。一方で音無がほぼ採用されていそうな構築なので抜けてる可能性は十分高いか?逆に抜けている場合は残りが響鳴共振+星の海or律弧と考えられるのでここで決めなければならない。

 

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音無砕氷:ほぼ確実に構えてる。どれだけ対応のケアを切るとしてもこれのケアだけは絶対に切らない。

 

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果ての果て:恐らく積んでない。多分、対面はこの大一番でこの不確定要素に命運を預けないはず。でも裏目ったら負ける。怖い。

 

数種類の対応の存在を切ってもこれですよ。本当に嫌になりますね。しかし仮にここでしゃがんだとしても、円環+よちよにの上から抜かれるリスクは十分にあります。その為この場面では、『果て果ては積んでない』『音無+見切り+祟り神の完全防御態勢は取っていない』という予想を立てて動き始めます。3:58:00からの連撃はまず雷螺風神爪を使用。ここで果ての果てケアを切ることにより、見切りがあったとしても暴風と演出家の両方が打てるだけの後退リソースを確保します。ここで相手は悩んだ末に対応で音無砕氷。3/2を2/1に軽減し、大嵐を受け切れるようにしてきます。しかしこちらの動きは変わりません。離脱から演出家の2/2!結果的にここに対応は無く、残りライフ2を削り切って勝利となりました。

 

 

という訳で以上が準決勝の解説でした。最初のマリガンがバグった時にはどうなるかと思いましたが、結果的にそれが勝敗を良い方向に転がした感もあるので分からないものですね。

 

さて、いよいよ自戦記も残すは決勝のみとなりました。という訳で次回は決勝戦の解説をしていきたいと思います。