巫鏡杯自戦記(後編その1)

どうも、ますたーです。

今回も前回に引き続き、巫鏡杯のレポートを書いていきたいと思います。

 

巫鏡杯自戦記(後編その1)

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※今回の記事は巫鏡杯本戦のアーカイブの内容をもとに解説しております。以下にリンクを貼っているので合わせてご覧ください。


www.youtube.com

 

二回戦:薙嵐VS傘勾(面)

 

※眼前構築は1:22:20頃から桜花決闘は1:29:20頃からになります。

 

二回戦の相手はzicoさん。激戦の神奈川予選を抜けており、一回戦では個人的に優勝候補筆頭だったテトまるさんを破っています。そんなお相手の三柱は傘勾面。予選と同じ三柱ですね。このマッチはお互いにカナヱとの対戦は極力避けたいのでお互いにカナヱBAN。薙嵐VS傘勾となりました。

しかし傘勾はクリンチ気味に動く択と中空で桜花を振る択もあるので正直構築段階での難しい相手となっております。実際この時もギリギリまで眼前構築を悩んでおり、1:27:15頃で眼前構築最後の瞬間が映っていますが、10枚のデッキが確定したタイミングが眼前構築終了の3秒前でした。最終的な判断としては相手がクリンチ気味に来た時に刺さるように、全体的に中距離に寄せた構築を選択しました。

 

構築

 

八方振り、薙切り、石突、圏域、衝音晶、無音壁、暴風

律動弧撃、響鳴共振、音無砕氷

 

試合は双方1宿しからスタート。先行2ターン目に相手がひとり目覚めてを開け、ダストを回収しきった時点でほぼ桜花ルートなのが確定。この時点でこちらとしては読みを外されて嫌な気持ちになりました。

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返しのターンのこちらの動きの意図はほぼ解説の通りで、加えて相手が無理に前に来た場合に簡単に八相八方を振るために最低限のオーラだけ保持しておきました。

1:33:30の双剣オーラ受けは、最低限衝音晶と音無砕氷は構えていたので強気にオーラ受けを選択。実際にこの後飛んできたしこみびは衝音晶で受け切れました。

返しのターンは無音壁を納2で展開しましたが、こちらも解説の通り返しのターンになるべくオーラを持っていたくなかったので、1ターンだけ1オーラ持てる無音壁の使用を選択。実際に返しのターンに相手が間合6までしか来なかったのでこの選択は正解でした。

 

 

次のターンに再構成から引いてきたのは衝音晶圏域。この圏域の存在が今回の構築を取った最大の弊害で、中空での殴り合いが確定している本対戦において、完全に緑色のゴミと化してしまいました。そうした問題も抱えていたため、ここから逆転のために少しずつ強気な動きを増やしていきます。その最たる例が1:37:40の1前進からの八方振で、ここでひきあしをケアして宿し前進までしてしまうと本格的にリソース負けしてしまいます。なので手札がかさまわし+しこみび/ねこだましである事にかけてひきあしのケアを切って動き、実際に通すことに成功しました。追撃の薙切りでライフを奪うとそのまま間合3まで行ってエンド。本当は間合2まで行きたかったのですが、衝音晶は使う可能性があったので手札に残しました。しかし結果的にこの後のターンの動きを見る限り伏せて前進しておくのが正解でした。

返しのターンに相手は桜花を振りながら5まで下がってしこみび+かさまわしの動きを選択。この辺りから、持って無いけど果て果ての圧を出して相手の動きを制限する動きを目指した方が有効かもしれないと考え始めていました。

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返しのターンは2前進から暴風を使用。この際、次ターンに無音壁を使いたいと思っていたので、手札の無音壁まで伏せての3前進は選びませんでした。1:43:15の相手のオーラ受けに対して即風1で前に行こうとしましたが、ここで雷2でオーラをいじめた方が良い可能性があったので再考。結果的に風1での前進を選びました。

返しの相手はふりはらいから1/2の桜花を使用。更に前進してから傘を返すことで、ひきあし・つきさし等の圧をしっかりと出してきました。

 

 

ターンが返りこちらは再構成。ボトムの石突を引いても良かったのですが、薙切りと八方振りが無い山を長く続けたくなかったので、ここで再構成をかけました。トップから来たのは石突と圏域またしてもいらない子がトップに来ましたね。無音壁を貼ることで八相になれたので守りは大丈夫でしょう。

返しのターンに相手は4距離まで下がってから桜花を使用。ここは解説の通り見切りケアの動きでしょう(まあどっかの緑に枠を取られてるせいで入ってないんですが)。更に追撃の桜吹雪が飛んできますが、簡単に下がられるのもオーラを補充されるのも癪なのでわざと自前のオーラまで使ってオーラ受けし、桜吹雪の効果は後退を選びます。その後相手はオーラ5を作ってエンド。

返しのトップで薙切りは引けたものの八方振りは引けず。泣く泣く薙切りだけライフに当てて前に行きます。

返しの桜花は3/2でそろそろ苦しいスタッツに。ここは一旦衝音晶からオーラ受けしますが、追撃のふりはらいがライフに刺さってしまいます。

ターンが変えってこちらの手札は暴風、石突、八方振り。衝音晶で下がって間合3のこの場面ですが攻め方が難しい。というのも相手の残りライフは6もあり、しかもここまでの展開から恐らくラストの切り札はくるりだと予想出来ました。

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仮にここで全手札を使い切っても削り切れず、次の山札まで必要なのはほぼ確実です。それらを踏まえて動いたのが1:54:40頃からの連撃で、状況に関係なく汎用的に使いやすい暴風を残して石突から動き始めます。次の八方振りですが、抱えている可能性のあるもぐりこみをケアするか少しばかり考えます。結果どうせ次の桜花は受け切れないし、ここで八方振りを確実に当てた方が利得がデカいと考え、無理矢理間合5まで下がってから八相八方を使用。相手の傘が開いてて桜花以外碌に飛んで来ないだろうという予想もあったのでここはオーラ0で返します。

 

双方のオーラが0の返しのターン。こちらは一つあるお祈りをしていました。それは相手が果ての果てのケアを切って特攻してこないでくれというお祈りです。先の構築紹介にも書いた通り、今回こちらは果ての果てを採用していません。前のターンのターンに無理攻めしていかにも果ての果てがあるようなオーラいじめを敢行しましたが、その正体は音無しか構えられてないマグロなのです。ここで果ての果てが無いってバレたらもうお仕舞いなのです。これに対する相手のアンサーは先に影の両手でこちらのフレアを破壊することでした。これにより果ての果てケアを切ることなく桜花が飛んでくる結果となり、個人的に上手いこと攻められてガッカリした気持ち半分、果てが無いのがバレなくてホッとした気持ち半分といったところでした。相手はこの後、追撃の桜吹雪まで振ってきたためここもライフ受けして遂にライフが逆転します。

 

 

ターンが返って再構成。この時、ひそかにチャンスだと思っていました。というのも相手の手札1枚はかさまわしで確定。切り札が最も硬くて四季とくるりみが限界なので相手は実質オーラ6ライフ4という状況でした。つまり八方振り+石突のような引き方をしてしまえば、リーサルすら狙えるような状況だったのです。勝利の可能性もある再構成直後のトップは…

 

衝音晶 

圏域

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※1:59:55参照

 

圏域お前何回トップで来れば気が済むねん!!!

これは困りました。あまりに弱すぎる引きに、動画でもわかるレベルで崩れ落ちてしまいました。仕方が無いのでオーラ2つだけ構えてエンド。最低限死ななそうな守りだけ固めます。

返しのターンに入り相手は長考。2:07:10辺りまで悩んだ相手は最終的にたぐりよせでお伺いを立ててきました。この受けは少し悩みましたが、ここで前に行かれてしゃがまれるとめんどくさく、それに加えてこの時点で残り時間が5分を切っており、次のターンがラストターンになる可能性があったので、ここで衝音晶を切りました。相手は予想通り前に行ってしゃがみます。

返しのトップは石突と無音壁でまたしてもトップから攻撃札が重なりませんが結果的に好都合。即無音壁を打ってエンドし、次のターンを生み出します。

そして返しの相手の最初の思考時間中に制限時間が経過。エクストラターンに入ります。相手は四季で果て果てをケアしながら5/2の桜花を発射。こちらとしてはライフは大切にしなければならないので無音壁を生かしてオーラ受けします。更に相手は5まで下がって桜の双剣を使用。四季の再起を目指します。こちらとしてはライフは大切にしたいのでこれを音無砕氷で捌きます。

そういえば話題になっていたのが2:10:50からの1/0になった桜の双剣をオーラ受けした場面。この場面でのオーラ受けの意図は確かに解説の通り、万が一その場でひきあしを構えられた場合に八相八方を打ちやすくするためでした。しかし、結局律動弧撃を打つためにどちらにせよ宿しが必要な場面だったので、あそこのオーラ受けは不要でしたね。

 

そして最終ターン。正直ターン終了時のかさまわしで手札が割れた時点で勝ちは確信していました。何せこのターンに1点削れば勝ちでしたからね。という訳で最後は八相八方→律動弧撃で相手のオーラと対応を全て剥がし切り、薙切りと暴風で残りのライフを削り切って勝利となりました。

 

※2:13:10頃から頻りに圏域の事を指差していますが、これは圏域に対する恨み節を放ちまくってる筆者の図です。

 

 

という訳で以上が二回戦の解説でした。前の試合で助けられたカードに次の試合で振り回される。本当に面白いゲームですね(白目)。

 

という訳で予定外に長くなってしまったので今回はここまでとします。次回は準決勝の解説をしていきます。

巫鏡杯自戦記(前編)

お久ぶりです、ますたーです。記事を書くのは昨年末のアドベントカレンダー以来ですね。

 

今回は先日行われた巫鏡杯のレポートを書いていきたいと思います。

 

巫鏡杯自戦記(前編)

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今大会の選出に至るまで

 

正直今シーズンは非常に長いシーズンでした。ですので今大会の選出が決まるまでの紆余曲折についてを全て語り出したら無限に時を遡れてしまうのでキリがありませんのでここでは話しません。

一応8月頭の禁止改定時点までの状況を簡潔にまとめると、

 

・勾面Xがおおよそ最強だった

・でも銃面Xはそれより最強だった

・そのためこいつらがまとめて規制喰らった

・どうしよう

 

と言う様な感じでした。

 

という訳で話を9月まで進めましょう。禁止改定が出てから無駄に1か月空いている気がしますが、筆者のモチベが無限に上がらなかっただけなんでマジで気にしないで下さい。(そもそもコロナのせいでイベント参加出来るかすら分からなかったんや…)

 

それはさておき9月になり、流石にそろそろ検討を始めねばならんと思い久々にどっかの大会にでも行こうかと大会を探し始めた所、完全戦の大会がほとんどないという衝撃の事実を知りました。これはマズい。

どうにか熱帯で完全戦の募集をかけますがこちらも中々集まりが悪い。それもそのはずで、10月頭にオンライン起源祭があり、禁止改定後の完全戦をわざわざやる人も少ないのは当然の話です。

この件については当初散々悩みましたが、最終的に俺自身が大会を立てるという荒業で何とか事なきを得ました。

という訳で9月中旬から10月末にかけて、自前のオンライン大会を実施した(執筆時現在進行中です)訳ですが、これらを踏まえていくつか見えてくるものがありました。

 

・ホノカAのナーフはカナヱのナーフ以上にキツそう

・カナヱはやっぱり未だに強い

・サイネが想像の10000倍位強かった

 

この3点目が個人的には最大の衝撃で、オフラインの大会の結果も相まって気づけば環境は今まででは考えられないサイネ環境と化していました。

という訳で、今大会のメタの基準はサイネとカナヱの二柱だと自分の中で確定しました。この中でカナヱは特定のメタで対処するのがかなり難しく、カナヱBANでサイネ絡みの組み合わせにメタを張る事を目標に考えていくこととしました。

まず最初に注目した二柱がオボロAとライラAです。オボロAについては、中距離間合帯でリソースを稼ぎながら殴り合えるのが強く、誘導などの特定メタカードや神代枝などの安定した守りも豊富で、サイネに対してかなり強く出れるのではないかと考えました。ライラAの採用については結構趣味的な要素も入ってるんですが、暴風などで殴りながら前に行ける要素や、大嵐・円環などの手ごろでちょうどいメタカードが入っているのも個人的に評価が高く、ここにカナヱを加えた戦嵐面を当初検討していました。

しかし、この三柱はどうしても最後の最後まで信じ切ることが出来ませんでした。特に、戦面はガチの検討戦で7勝0敗という圧倒的な成績を残しているのにも関わらず、最後までなんか信用しきれまんでした。*1

ここで代わりに現れたのが今回使用した薙嵐面でした。オボロAをサイネにしたら強いんじゃないのか?とかいう小学生並みの発想で生まれた三柱でしたが、これが思いのほか強く、特に薙嵐が想像以上のポテンシャルを持っていたことで評価が非常に上がりました。

最終的にこの三柱を軸に検討を進め、直前にウルトラCでも見つからない限りはこの三柱を使おうと大会二週間ほど前には決めました。*2

 

 

 

一回戦:薙嵐VS忍嵐(薙)

 

初戦はラッコさん。実際に対戦したことは無かったのですが、その強さはTwitterなどで兼ねてから聞いており、今回の優勝候補の一角だと個人的に挙げていました。そんなお相手の三柱は薙忍嵐、まさかの薙嵐被りです。このマッチングはかなり厄介で、近間合での殴り合いで無類の強さを誇るオボロがいるせいで相手目線かなり薙嵐が返しやすくなっています。実際中空で戦おうにも、誘導・円環・鳶影風走りと対策手段が山のようにあり、まともに殴り合って勝てる気がしません。だからと言って薙嵐での完ミラーも出来る事なら避けたいため、オボロに挑むか完ミラーに挑むかの2択を迫られてしまいました。

しかし、相手の三柱を眺めていると一つ秘策が浮かんできました。という訳でサイネをBANしてオボロに挑む選択を選びました。

 

 

構築

 

八方振り、薙切り、石突、見切り、圏域、衝音晶、大嵐

音無砕氷、天雷召喚陣、円環臨廻旋

 

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全国大会初戦。まさかの天雷構築の出陣です。

 

さて、試合の話に入る前にこの構築の話から入りましょう。

正直この構築は大事な試合で使いたくありませんでした。当ブログをいつも読んでくださる方ならば、上記の構築の中に見覚えのある不穏なカード群がある事に気づいたかもしれません。

そうです、例のアレでも使ったパッケージが入っているのです。

 

【四月の君は馬鹿】痛いのは嫌なので後退力に極振りしてみました - 桜花の引力に導かれて (hatenadiary.jp)

↑例のアレ

 

実際、『見切り、圏域、衝音晶』のパッケージをに加えて風雷の知恵まで使ってレンジロックをかけながらゲージを溜める動きは、非常に簡単に雷19を溜めることができ、これを生かした構築は実際に何度かフリプで採用したことがありました。

しかしこの構築、悲しいことに非常に勝率が低い構築でした。確かにゲージを最大値まで溜めきることは出来るのですが、そもそも衝音晶込みでの天雷ラインまでライフを削りきることすら難しく、いつも苦しい戦いを強いられていました。またこの構築は正直なところ、目標の雷19ですら余裕で達成してしまうレベルで過剰なゲージが湧きます。しかし、後の天雷の事を考えると迂闊に暴風や陣風祭典儀で雷ゲージを浪費することも出来ませんので、やはり打点が足りません。

これらを踏まえ、当日この構築を使うことは無いだろうと薄々察しながら前日練習でもこの構築を使いました。そして無事敗北したため当日この構築を使うことは無いだろうと95%くらい腹は決まってました。しかしその感想戦中、ある天啓が脳内に降りてきます。

 

「知恵入れた結果打点が足りないなら素直にサイネの赤札全部積めば良いのでは?」

 

正直今までこの発想が下りてこなかった自分を小一時間ほど問い詰めたいところですが、信じられない事にたったこれだけで今まで抱えてた課題をおおよそ解決してしまいました。正直知恵無しでもレンジロックは成立していたため、この枠が1枚減ったところでロック能力はほとんど落ちず、純粋に打点だけ上げることに成功しました。

勿論それでも当日この構築を積極的に使うつもりはありませんでした。しかし、素直に殴り合った時に分が悪そうで、かつ減衰対応が少ないような相手には採用する可能性があるかもしれない、と思えるくらいにはこの構築を信じてみようと思いました。

そしてこの一回戦、その対象の二柱が目の前に来ました。これは腹を括って天雷構築を使うしかないでしょう。

 

 

※一回戦に対戦状況については既に記憶が怪しいので試合の雰囲気だけお楽しみください

 

試合は1T目に双方が大嵐を発動。相手は風を3つを上げてきたのでこの時点でほぼ壬葛雷螺風神爪の構築だと判断します。2T目に一歩だけ歩いてきた相手に対してこちらは2宿し音無から衝音晶で下がります。返しに相手が少しだけ前に歩いてきたので、返しに前進から薙八方でライフを奪い、出来たダストで圏域を張ります。*3返しに相手は設置誘導から気合で前に来て風神爪を振ってきますがここは見切りで捌きます。

その後2巡目に薙切り八相八方をしっかりあててライフを更に獲得。このあたりで既にライフ・ゲージ共にリーサルが見えてきます。この間も相手は風走り、誘導、暴風、鋼糸を中心に攻めてきますが、八相下での守りも堅く、適度に攻撃をフレアを溜めつつ致命傷となる攻撃だけは捌き続けます。

最後は衝音晶の1/-と天雷(雷15)の合わせ技でオーラ4とライフ5を削り切ってリーサル。幸先よく一回戦勝利となりました。

 

 

前編はここまでとなります。正直記憶があいまいでまともなレポートになってなくて申し訳ありません。

ですがご安心ください。後編となる二回戦から先の試合は全試合アーカイブが残っています。という訳で後編は実際のアーカイブと比較しながら解説していきたいと思います。

 

 

*1:実際対面した相手ほとんどに弱い二柱だと思われていましたし、やっててもヌルっと勝つことが多くて気持ち悪かったのも要因です

*2:実は大会一週間前に別のウルトラCが発見されたのですが、最終的に検討時間と信用の観点から薙嵐面を選びました。

*3:このあたりの折衝からうろ覚えですが、圏域でダストで下がったところは確実です

神語りの脇役がガチ勢ばかりな件

お久しぶりです、ますたーです。前回のハガネAプレビュー記事はアクセス回数がとんでもない事になり、とてもたまげました。皆さま本当にありがとうございます。

 

さて、今年のアドベントカレンダー記事は昨年と違って真面目方向の記事を書こうと思っていました。ですが直前にちょっとしたネタが脳内に降ってきたのでそちらを書いていこうと思います。

今回の記事は『神語りの脇役がガチ勢ばかりな件』です。

 

 『神語りの脇役がガチ勢ばかりな件』

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※本記事は『桜降る代の神語り』『八葉鏡の徒桜』のネタバレを含みますのでご注意ください。

 

『ふるよに』というゲームは物語の背景設定がとても綿密に設定されている事でも知られており、その象徴的な存在が公式小説の『桜降る代の神語り』『八葉鏡の徒桜』の二作品です(以後『神語り』『徒桜』)。

『神語り』は既に完結済みの作品で、本作の登場キャラクターであるユリナの人間時代の物語が、様々な魅力的な登場人物たちと共に描かれています。『徒桜』については現在公式ブログにて連載中で、謎の存在であるヤツハを中心とした物語が描かれています。今回はこの『神語り』を中心に話していきます。

この『神語り』ですが、人間天音揺音の物語だったこともあり、人間のミコト同士で戦う描写も非常に多く、様々なミコトが登場しています。そして、これらのミコトの中には人気の高い人物も多く、実際にこれらの名脇役たちの宿している二柱を模して遊んでいる人も多くいます。実際に筆者もよく彼らの宿している二柱と名前を使って大会に出たりしているのですが、大会に出るたびにこう思ってしまいます。

 

 

この二柱めっちゃ強いんだけど?

 

 

そうです、彼らの二柱は何か全体的に強いんです。序盤の強敵から途中で仲間になる人物に至るまで、主要な登場人物が宿す二柱は何故か『ふるよに』のゲームで使っても普通に勝てる二柱ばかりなのです。

という訳で今回は、そんな『神語り』に登場した人物が宿していたメガミの組み合わせについて、『ふるよに』のゲームでの強さと合わせて解説していきたいと思います。

 

 

※今回のルールとして後にメガミとなる人物、『ふるよに』に実装されていないメガミを宿していない人物は除いています。というか思いついた人物を列挙しているだけなので抜け漏れは多いかと思いますが悪しからず。

 

 

龍ノ宮一志:ヒミカ/ハガネ

 

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まずは『神語り』序盤で登場する龍ノ宮一志です。序盤だけの登場ながら『神語り』全体を見た時に重要な立ち位置におり、間違いなくこの世界における“強いミコト”です。

そんな彼の宿している二柱がヒミカとハガネです。この二柱の組み合わせは対応を完全に捨てた攻め一辺倒の組み合わせですが、その破壊力はすさまじく、『遠心撃』や『大天空クラッシュ』の一撃で7∼8点持っていく事もザラです。二柱のキャラクター性とは裏腹に、緻密な立ち回りが要求されるのが欠点ですが、大規模大会などの大きな大会で結果を残した実績もあり、このゲームの歴史で見ても、強い部類に入れていい二柱である事は間違いないでしょう。

 

 

佐伯識典 シンラ/ライラ

 


序盤の端役かと思いきや物語終盤まで重要な役割を担い続けた佐伯識典ですが、宿している二柱はこのリストの中ではおとなしい方でしょう。実際にシンラ/ライラという組み合わせになじみが無い方は多いのでは無いでしょうか。しかし、この組み合わせは早い段階からシンラのカードでゲージを稼ぎ、間合2にたどり着く頃にはゲージが十分なゲージを持って攻撃が出来るという相性の良さを持っています。それでいてシンラらしい絡め手を搭載する事も出来るこの組み合わせは、過去に大規模大会で結果を残した実績もある確かな歴史を持った組み合わせなのです。

 

 

五条綴  クルル/ミズキ

 

 

典型的な小悪党っぽい立場でありながら、何度も作中何度も主人公一行を苦しめた五条綴ですが、彼の宿しているクルル/ミズキという組み合わせも例に漏れず強力な組み合わせです。先述したヒミカ/ハガネとは正反対でこの二柱は非常に防御に長けた組み合わせとなっており、豊富な対応札で相手の攻撃を防ぎながら『えれきてる』や『三重膝丸櫓』でライフを奪う戦術は非常に強力です。登場して間もなかったS5当時では、祈祷師ライラの攻撃を捌きうる防御力が注目され、人数の多い交流祭で優勝するほど強力な組み合わせでした。

一つ残念な事に、原作で五条はサイネとの決闘時に枢式を使用しているのです。どうやら彼には眼前構築の才能は無かったようです。

 

 

闇昏千鳥 オボロ/ユキノ(ユキヒ)

 


今作の登場メガミの一柱であるチカゲ。彼女の人間時代にいいた実の弟が闇昏千鳥です。彼自身長きにわたってユリナ達を助け続けた重要人物なのですが、そんな彼の宿しているメガミはオボロとユキノという二柱です。このユキノというメガミは、ユキヒの一面ともいえる存在なので、彼は実質的にオボロ/ユキヒという組み合わせを宿している事になります。このオボロ/ユキヒですが、『壬蔓』と『はらりゆき』を継続して使うコンボがとてもに強力で、S1から直近の季節戦まで幾度となく結果を残し続けている由緒正しき強い組み合わせです。

そんな二柱を宿し、最後までユリナ達を助け続けた彼もまた『神語り』における英雄の一人と呼んでも良いのではないでしょうか。

 

 

古鷹京詞 トコヨ/カナヱ

 

 

文化人としての側面を持っている古鷹京詞ですが、彼の宿しているトコヨとカナヱの組み合わせは非常に強力です。この組み合わせは、フレーバー上は歴史や芸術などの文化的な側面が強い組み合わせですが、その強さは最新環境でも戦えるレベルを保持しています。 終幕を目指した特殊勝利ルートは勿論のこと、『梳流し』や『ほかげきらぼし』でクロックを刻みながらライフを奪う構築もあり、S6の通常選択でも優勝が狙えるだけのポテンシャルを秘めています。

今思えば、そんな二柱を宿した彼を打ち負かしたユリナは流石としか言いようがありませんね。

 

 

瑞泉驟雨 クルル/ウツロ(終章ウツロ)

 

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『神語り』のラスボス的存在である瑞泉驟雨ですが、メガミの組み合わせで言えばこの中でも良心的な部類に入ります。彼の宿しているクルル/ウツロという組み合わせが環境レベルで戦っていた経験はありません。しかし彼がユリナと戦った最終決戦の後、ウツロが真の力を解放して終章ウツロとして姿を現し、ユリナ達の前に立ちはだかります。これは『残響装置:枢式』の元となっている描写です。つまり彼は最終決戦の場面で、クルルと終章ウツロを宿していたのとほぼ同義なのです。このクルル/終章ウツロと言う組み合わせは、S3当時猛威を振るっていた終章ウツロの中でも有力な組み合わせの一つであり、大会でも多くの実績を残していました

流石にラスボスだけあってしっかり強い二柱を宿していたんですね。

 

 

いかがだったでしょうか。『神語り』にはこのほかにも様々な魅力的な登場人物が登場します。また、現在連載中の『徒桜』も同様に魅力的な登場人物たちに溢れています。『ふるよに』のゲーム本体と公式小説。これら両方に触れる事でもしかしたらもっとこのゲームを楽しめるかもしれません。

 この記事が皆様の『ふるよに』ライフの助けになる事を祈っております。

 

 

 

 

 

おまけ

 

これだけで終わってしまうのも少々物足りないかと思いましたので、今回登場した組み合わせのサンプルデッキをこちらで紹介します。

 

 

ヒミカ/ハガネ

 

フルバースト、バックステップ、バックドラフト、遠心撃、砂風塵、大地砕き、鐘鳴らし

スカーレットイマジン、大天空クラッシュ、大山脈リスペクト

 

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この構築の勝ち筋は『遠心撃』か『大天空クラッシュ』によるワンショットキルです。『遠心撃』によるワンショットは『バックドラフト』と『鐘鳴らし』のダメージアップを『大山脈リスペクト』で重ね掛けして5/7の『遠心撃』を叩き込む事となります。手札を2枚抱えていれば『スカ―レットイマジン』から山札を引き切れるので、相手のオーラが少しでも薄い状態でターンが返ってくれば確定でコンボが決まります。相手に『遠心撃』のケアをされ続けた場合は試合展開が遅くなっているはずなので、じっくりフレアを溜めてもう一つの勝ち筋である『大天空クラッシュ』でのワンショットを狙いましょう。

 

 

シンラ/ライラ

 

立論、反論、引用、煽動、獣爪、風雷撃、流転爪

完全論破、雷螺風神爪、円環臨廻旋

 

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この構築は間合の広いシンラの攻撃札でゲージを稼ぎながらビートダウンする構築です。『引用』で相手の攻撃札を使うことが出来ればその分のゲージも上げることが出来るので、全体的にゲージは上がりやすく、早くから『風雷撃』を高い打点で打つことが出来ます。『完全論破』のコストが下がって採用しやすくなった事なども追い風で、ビートとコントロールをバランスよくこなすことが出来る組み合わせといえるでしょう。

 

 

クルル/ミズキ

 

えれきてる、くるるーん、もじゅるー、りふれくた、撃ち落とし、号令、防壁

どれーんでびる、いんだすとりあ、三重膝丸櫓

 

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この構築は『えれきてる』を軸としたクルルの構築の中でもトップクラスに強力です。対応の使いやすさもさることながら、『三重膝丸櫓』と『どれーんでびる』の相性が非常に良く、終端のカードを使った時の再起効果が攻防共に働いてくれます。この守りを突破するにはそれこそ1ターンに4∼5回以上の攻撃を重ねる必要があり、一筋縄で突破できる構築ではないと言えるでしょう。

 

 

オボロ/ユキヒ

 

鋼糸、影菱、忍歩、しこみばり/ふくみばり、しこみび/ねこだまし、ふりはらい/たぐりよせ、かさまわし

壬蔓、はらりゆき、くるり

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所謂「みかはら」型と呼ばれる構築です。『しこみび/ねこだまし』と『かさまわし』でオーラを保ちながら、『壬蔓』と『はらりゆき』を毎ターン継続して使いまわします。基本行動の大半を後退に回したとしても、『かさまわし』によるオーラ補充が出来るので、かなり強力なレンジロックを決める事が出来ます。

この組み合わせは電源版の中でも強力な組み合わせの一つなので、電源版での勝率を上げたい人にもおすすめです

 

 

クルル/終章ウツロ

 

あくせらー、くるるーん、とるねーど、もじゅるー、重圧、影の壁、遺灰呪

どれーんでびる、びっぐごーれむ、残響装置:枢式f:id:Horiemon:20201203214311p:plain

 

正直なところ、S6におけるこの二柱の有用な使い方を理解できていません。ですが、終章ウツロの特徴である『残響装置:枢式』を生かしたデッキを組むならこのような構築が考えられるでしょう。序盤は『びっぐごーれむ』での展開を狙いながら、ライフが減ってきたタイミングで『残響装置:枢式』を展開します。相手がじっくりダスト枯らしを狙うなら『びっぐごーれむ』でのクロックで削り、大技でライフを取りに来るならば出来たダストで終焉の影を蘇らせにいきましょう。

 

 

トコヨ/カナヱ

 

雅打ち、詩舞、要返し、風舞台、空想、脚本家、断行

久遠ノ花、たまゆらふみ、あたらよちよに

 

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今を時めきすぎて2枚もの禁止カードが存在しているカナヱですが、この二柱についてはその2枚が無くてもきっちり高い防御力を有した組み合わせとなっております。それでいてこの二柱は終幕による特殊勝利を狙うのも容易です。今回の構築の場合、

2T目に『要返し』で《粒立て》達成、3T目に『風舞台』を絡めて《位置取り・裏》達成、早ければ4T目に《鼓動》達成、そこから2T以内に《明転》を達成し、最後に『久遠ノ花』で《桜飛沫・裏》を達成、と7~8T目に特殊勝利を決めることが出来ます。

他にも本記事で振れた赤幕ルートも強力なので、非常におすすめの二柱となっています。

 

 

画像クレジット:ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME

 

新幕第伍拡張『異語邂逅』 新カードプレビュー

皆さんこんにちは、そしてこのブログを初めて見る方は初めまして。ますたーと申します。今回、第伍拡張の異語邂逅の新規メガミのプレビューを書かせて頂く事になりました。ここまで既に三組の方々がカードプレビューを行っており、それぞれホノカA・カナヱ・トコヨA2のカードがプレビューされてきました。となれば、このタイミングでプレビューされるメガミは当然このメガミしかいないでしょう。

という訳で本日のプレビューカードはハガネAのカードです!

 

ハガネAカードプレビュー

 

【旋回起】

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通常札の変更枠の1枚がこの『旋回起』です。変更前の『砂風塵』が相手のオーラを1つ奪いながら手札を1枚捨てさせるカードだったため、この『旋回起』は『砂風塵』の対を為すカードと呼んで良いでしょう。元々のハガネがコンボを組上げてライフを取る動きを得意としていたので、コンボを決める際の動きを補助するカードとしては非常に優秀ですと言えるでしょう。一方で相手の動きを遅延する役割を果たしていた『砂風塵』が無くなる影響も大きく、通常のハガネ以上にゲームの組み立てが難しいメガミとなることが予想されます。

このカードは元々プレビューされていたので説明はこのくらいで良いでしょう。むしろ皆さんが気になっているのはあと一枚、どの通常札がどのようなカードに変化するかでしょう。という訳でもう一枚の変更カードを見ていきましょう。

 

 

【炉火】

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通常札もう1枚の変更枠がこの『炉火』です。双方がフレアを得て2前進する、疑似的な『風走り』の様なカードが新たに加わりました。

相手にも1フレア与えてしまうのがネックではありますが『風走り』とは違ってダストを作らずに前に行けるのは一つのメリットです。拡張を追うごとに中距離主体のメガミが増えていますが、どのメガミも軒並み後ろに下がるために一定のダストを必要としています。ですので、ダストを枯らしながら前に行く動きをしたい場合、このカードはかなり効率の良いカードと言えるでしょう。

 

しかしハガネAを説明するうえで重要な点はこの効果ではありません。

そうです、このカードの交換枠はあの『遠心撃』なのです。既に公開されている『旋回起』が『砂風塵』と、『大錬成マテリアル』が『大天空クラッシュ』と交換である事を考えると攻撃手段をほぼ全て失っています。これでどのようにライフを奪うのでしょうか?その疑問を解決してくれるのが『大錬成マテリアル』に紐づいている『錬成攻撃』です。

 

 

【大錬成マテリアル】

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まずは公式小説でもプレビューされていたこの『大錬成マテリアル』の効果を改めておさらいしておきましょう。

実戦の決闘で起きる出来事の順番に合わせて効果を整理すると、

・使用時に手札の攻撃札(除く大地砕き)を金床と呼ばれる領域に置く。

・代わりに『錬成攻撃』をデッキの一番下に加える。

・『錬成攻撃』を使ったターンに再起する。

・二回目以降の使用時は、代わりに金床に桜花結晶を乗せる。

という4点になります。『いんだすとりあ』のようにカードを封印し、代わりに『錬成攻撃』というカードを手に入れる効果なのですが、これだけ見るとは効果の全容は分かりません。という訳で早速『錬成攻撃』を見ていきましょう。

 

 

【錬成攻撃】

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かなりテキストの長いカードなので、説明を前半の複製に関する部分、真ん中の手札や伏せ札での扱いに関する部分、後半のカード強化の部分に分けて説明していきます。

 

まず前半の効果ですが、このカードは金床に置いたカードと同じカードタイプ、スタッツ、適正間合、テキスト効果を持ったカードとなります。似たようなカードの『でゅーぷりぎあ』との違いとして、このカードはハガネのカードとして扱われます。ですので、『気炎万丈』や『バックドラフト』のようなダメージ強化を受ける事が出来ます。

 

真ん中の部分は、このカードの強さを適正化するためのものでしょう。

手札にある『錬成攻撃』は相手のカードの効果で選択されないため、『黒き波動』や『引用』のような手札破壊のカードで捨てさせられる事がなくなります。

またこのカードはカードの効果で封印される事に対して耐性を持っています。封印されないので当然『論破』は効きませんし、『完全論破』のコストが2フレアになろうが『錬成攻撃』には全く効きません。特別な事情が無ければちゃんと山札1巡につき1回は使う事が出来ます。

一方で、『錬成攻撃』は再構成以外で手札や山札に戻りません。ですので、『手裏剣』や『しこみび/ねこだまし』を複製した場合にも、その効果で手札に戻る事がありません。そのため、『錬成攻撃』を山札1巡の間に複数回使う事はほとんど不可能になっています。

 

さて、ここまで長々と説明してきましたが、一番メインの効果は後半の部分です。

 

金床にある桜花結晶の個数に応じて以下の効果を得る。

0以上…+1/+0となり、距離拡大(遠1)を得る。

1以上…+1/+1となり、距離拡大(遠1)を得る。

2以上…+1/+1となり、距離拡大(遠1)を得て、打ち消されない。

 

この効果を簡単に説明すると、金床に結晶が乗る度に『錬成攻撃』自体の威力がどんどん増していきます。ここで重要なのは上記の効果は重複するという事です。ですので実質的な効果は以下のように読み替える事が出来ます。

 

『大錬成マテリアル』を使用した回数に応じて以下の効果を得る。

1回…+1/+0となり、距離拡大(遠1)を得る。

2回…+2/+1となり、距離拡大(遠2)を得る。

3回以上…+3/+2となり、距離拡大(遠3)を得て、打ち消されない。

 

つまり最大まで『錬成攻撃』を強化した場合、元の攻撃と比較してもかなり強力な攻撃が出来上がる訳です。

ではこの強化幅は実際の所どれほどのものなのでしょうか。例を挙げてみましょう。

 

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これはサイネの『石突』です。このカードは適正間合が2-3でダメージが2/1と、このゲームの攻撃札としてはかなり一般的なスタッツを持っています。ではこのカードが最大値まで強化されるとどうなるでしょうか…。

 

 

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※これに加えて打ち消されない効果が付きます。

 

こうなります。わぁ凄い。

適正間合2-6でダメージが5/3(ついでに打消されない)のとんでもないカードが爆誕してしまいました。

ですが思い出してください。この数字、どこかで見覚えが無いでしょうか?

 

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そうです、いなくなってしまったあの『遠心撃』と同じ威力なのです。しかも『錬成攻撃』には使用条件の遠心がありません。(勿論強力な攻撃後効果も無くなっていますが)

 

つまりハガネAは、『遠心撃』や『大天空クラッシュ』という強力な勝ち筋を失った代わりに、『大錬成マテリアル』を使って『錬成攻撃』という名の「ぼくのかんがえたさいきょうの遠心撃」を育て上げるという新たなスタイルを獲得したのです。

 

最後に、折角ですので「ぼくのかんがえたさいきょうの遠心撃」候補となるカードも何枚か紹介していきましょう。

 

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決死時に対応不可5/5のスーパー底力になります。

 

 

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 設置から手札破壊付きの5/3が飛んで来ます。

 

 

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強力な【常時】効果を持った、適正間合1-4でダメージが5/4の攻撃が爆誕します。

 

 他にも面白いカードは沢山あるのですが、全てを紹介してしまうのも無粋でしょう。

ここから先は皆さんの想像力にお任せします。

 

ハガネA全体を見た総括

 

今回のハガネAのカードリストを渡された時、最初は非常にびっくりしました。まさか単独でライフが一切取れないメガミに変化するなんて持ってもみなかったからです。(単独で1点もライフを取れないメガミは過去にいませんでした)

しかし実際に新カードに触り、考えを巡らせていくうちにその驚きはワクワク感へと変わっていきました。そして先日更新された公式小説の最新話でその気持ちは更に昂りました。

 

bfpblog.bakafire.main.jp

 

※以降一部公式小説のネタバレを多少含みます。

 

このゲームの各メガミ達はそれぞれ様々な特徴を持っており、メガミとしてのキャラクター性自体がそのままゲームでの性能にも結びついています。このハガネというメガミは、大地を象徴するメガミであると同時に、その鉄槌を使った鍛冶師という側面も持っています。また、ハガネ自身は非常に子供らしい気質をしており、その影響で彼女の保護者の役目を担うメガミも非常に多いです。

そんなハガネですが、ゲームにおける性能でもこの特徴がしっかりと現れています。通常版のハガネは、鎚という武器の性質を生かした【溜めて一撃で倒す】というスタイルを一つの特徴としています。このスタイルの影響もあり、ハガネを使って決闘する際にはもう一柱の助けを借りた動きをすることも多く、それがハガネというメガミの子供らしさを上手く表していました。

しかし今回、その大きなスタイルを一つ捨てた代わりに、鍛冶師としての側面を生かした【一つの武器を鍛え上げていく】というスタイルが強調されました。ですがこれは今まで出ていなかったハガネの特徴を表に出しただけではありません。

小説版などにおいて、ハガネはずっと他のメガミに保護される立場でした。ですが小説の最新話で誰かを導いていく立場になることが示唆されており、実際にこのハガネAの姿も元のハガネから一回り成長した見た目をしています。

今回の決闘スタイルの変化はそういったハガネの成長をよく表しているのではないでしょうか。

 

 

今回はハガネAのカードについて、性能とフレーバーの両面から見ていきました。フレーバー面を考察する事は普段あまりしないので少々見苦しいところもあったかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。

さて、カードプレビューもあと一人を残すのみとなり、いよいよ新拡張発売の日が近づいてきました。今回もワクワクするようなメガミがたくさんいるので、発売が待ち遠しいです。

皆さんと共に、新拡張を楽しみたいと心の底から思っております。

それでは皆様、ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

※本記事でカード画像の加工を行っております。これらの加工はふるよにコモンズの規約から外れていますが、BakaFire Partyから特別に許可を頂いております

『狂気の道への導きを』 第八回:基本三型以外の型について

 

どうも、お盆休みでブログ更新欲が高いますたーです。前回までで基本的な型については一通り説明しました。今回はいくつかのカードに着目して、そのカードを生かせる組み合わせとその構築について説明していきたいと思います。

 

第八回:基本三型以外の型について

 

りげいなーの特徴と相性の良い構築

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りげいなーは本来打てないはずの切り札をもう一度打つことが出来る非常にロマンに溢れたカードです。ですが、同じ切り札を複数回打つという行為を最大限生かすのは実はかなり大変です。

例えば、月影落を複数回打つとしましょう。同一ターンに月影落からあくせらーりげいなーでも一度月影落を打つ場合、4/4の攻撃を2回打つこととなります。相手がオーラ5で対応が無かった場合、一度目をオーラ受けされた後に二度目がライフに通ってライフ4点を奪う事が出来ます。しかし、第5回で説明したあくせらーとるねーどから切り札を打ち込む動きをした場合、同じようにオーラを剥がしてからライフ4点を奪える上に、機巧次第ではとるねーどで追加の一点を奪うことが出来ます。またオーラダメージが2点より少ない切り札を複数回打っても、相手が潤沢にオーラを持っている場合ライフを奪う事は出来ません。ですが、とるねーどでオーラを全て吹き飛ばしてしまえば、オーラダメージの少ない攻撃でもライフを奪えるようになります。

勿論、時間差で打つ事に意味があったり、相手の対応の兼ね合いで二発打つ事に意味があったりと、状況によってこの二枚の良し悪しは変わってきます。しかし単純な性能だけで見た場合、同一ターンの連撃を主目的として採用されたりげいなーは見た目ほど強力な攻め方とは言えないのです。

ではりげいなーを生かせるデッキとはどのようなデッキでしょうか。実例を挙げながら説明していきます。

 

オボロ/クルル『歩き熊介』型

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構築例

鋼糸、影菱、忍歩、誘導、あくせらー、りげいなー、もじゅるー

熊介、どれーんでびる、いんだすとりあ

 

あくせらーりげいなーのコンボの優れている点として、全力切り札を標準行動のタイミングで使用できるという点が挙げられます。しかし、天音揺音の底力や炎天・紅緋弥香などの複数回打つのが不可能ないし現実的でない切り札も多く、この特性を生かしきるのは非常に難しいです。この特性を何とか現実的に生かせる構築として挙げられるのががこの『歩き熊介』型です。

熊介を当てる上で最大のネックとなるのが、伏せ札を作ったタイミングで間合を外されてしまうという点です。ですが、『伏せ札があって、間合が3-4である』という状況を自分のターン中に作ること自体は容易です。そこでりげいなーの特性を生かして、一度適当に使っておいた熊介を後でもう一度伏せ札を作ったタイミングで打つというのが本構築の趣旨です。熊介の弱点として、設置を利用して3-4間合に行くこと自体は出来るが、設置の発動後に伏せ札が無くなってしまうというものがありますが、本構築では一度目の熊介は打つことさえ出来れば良いので特に問題はありません。

 

 

ハガネ/クルル『無限メガロ』型

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構築例

遠心撃、砂風塵、えれきてる、あくせらー、くるるーん、りげいなー、もじゅるー

大破鐘メガロベル、どれーんでびる、いんだすとりあ

 

このゲームは攻撃に関係するカード以外でライフ差を付けられるカードはそう多くありません。ですが、それでもなおライフ差を発生させる行動札や付与札は確かに存在し、とりわけこれに該当する切り札は、一度発動するだけで大きくライフ差を付けることが出来ます。そんなカードたちの中で数少ないりげいなーで再使用出来るカードが大破鐘メガロベルです。

この構築は切り札の必要フレアを軽くして早い段階でメガロベルを発動し、それをりげいなーで何度も使いまわしてゲーム中の相ライフを16点や20点までかさ増しさせるという非常にシンプルなデッキです。ですが、一部の打点の少ないデッキや1試合で奪えるライフが決まっているタイプのデッキでは絶対に突破することが出来ない、知らないと一方的にハメられるタイプのデッキです。

どれーんでびるでオーラを剥がしてから遠心撃でライフを奪ってくるコンボがあるなど、攻める能力も最低限有している点も厄介です。いんだすとりあで増やすカードはりげいなーが基本ですが、防御力の向上のためにくるるーんを増やしたり、ライフクロックを早めるためにえれきてるを増やすパターンもあります。

 

 今回は2つの構築を例に挙げました。りげいなーを使うにあたって重要な事は、

・打ちたい切り札はそんなに簡単に打つことが出来るのか

・その切り札を複数回打つことはその切り札と他のカードを組合わせる事より強いのか

 という二点だと思います。これらを考えずにデッキを組んでしまうと、別の構築の劣化の様なものになってしまったり、現実的に動かないデッキが生まれてしまいますので、気を付けて下さい。

 

 

どれーんでびるの特徴と相性の良い構築

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本シリーズが始まって以降、紹介したほぼ全ての構築で採用されているカードがこのどれーんでびるです。このカードをよく採用している理由は、行動/対応という機巧を使用済みに置いておくことが何かと便利であり、しかもそれがフレア2で発動出来るからです。特に行動や対応の機巧は、やりたいことを増やそうとするとその過程で不足していることがよくあるので、迷ったら採用しておく事で安定感が格段に跳ね上がります。

また、いんだすとりあを採用しているデッキでは再構成ごとにオーラを奪えるのも優秀で、縁の下の力持ちとして活躍してくれます。

しかし、切り札が再起するごとにオーラを1つ奪うというカード効果を再使用する性質は、そのまま構築の軸に組み込んでも十分なパワーを発揮する事があります。ではどれーんでびるが強さを発揮するデッキとはどのようなものでしょう。こちらもいくつか例を挙げて説明していきます。

 

クルル/サリヤ『αどれーん』型

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構築例

あくせらー、りげいなー、もじゅるー、Burning Steam、Steam Cannon、Roaring、Turbo Switch

どれーんでびる、Alpha-Edge、Julia’s BlackBox

 

どれーんでびるはその性質上、再起する攻撃札との相性が非常に良いです。特にターン中に即再起する切り札との相性は抜群に良く、オーラを剥がしたところに更に再起させた切り札で連撃を叩き込むことが出来ます。

そう言った観点から見て、現在このゲームのカードプールで最も相性が良いと言えるカードはAlpha-Edgeでしょう。即再起切り札の中で最も火力が高いカードであり、再起条件も比較的簡単です。

Alpha-Edgeの再起条件を満たせるカードはBurning Steam、Waving Edge、Turbo Switchの3枚がありますが、これらだけを軸にAlpha-Edgeでの攻めを組み立てようとする場合、リーサルを取り切る為の燃料に若干不安が残ります。ですので上記の構築例では、Julia’s BlackBoxでYAKSYAに変形する事で打点の底上げを図っています。YAKSYAによって基本行動で攻撃が出来るようになるため、もじゅるーとの相性も非常に良く、りげいなーからBlackBoxによる再変形を狙うギミックも搭載しているので、手札と燃料リソースの補充も出来ます。

 

クルル/ライラA『天雷召喚陣』型

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構築例

えれきてる、あくせらー、くるるーん、もじゅるー、獣爪(旧暴風枠)、風走り、大嵐

どれーんでびる、いんだすとりあ、天雷召喚陣

 

いんだすとりあは再構成タイミングで再起するカードです。これとどれーんでびるを組み合わせる事によって、全力切り札の使用前にオーラを奪う動きを挟むことが出来るようになります。天音揺音の底力や炎天・紅緋弥香など多くの全力切り札はこの恩恵を受けることが出来ますが、その中でも最も相性の良い切り札は天雷召喚陣でしょう。

どれーんでびるの効果は、切り札が再起する度に『このカードを消費を支払わずに使用してもよい』というものです。すなわち、いんだすとりあと組み合わせる事により再構成の度に一回分ゲージを貯めることが出来るのです。しかもリーサルタイミングでは、相手のオーラを1つ奪いながら最後に1個分ゲージを上げてくれます。

その他のゲージ上げについても、いんだすとりあを繰り返し使用したりもじゅるー下で様々なカードを使用していく事で、その他の下準備とゲージ上げを同時にこなすことが出来ます。いんだすとりあで増やすカードは、打点補助のえれきてる、防御力強化のくるるーん、対中遠距離メガミ用に風走りなどが候補に挙げられます。

 

りげいなーと同様二つの構築を例として挙げました。どれーんでびるを生かした構築については、

・強力な再起切り札と組み合わせる

・高火力の全力切り札と組み合わせる

という二点に沿ってデッキを組めると上手くいくでしょう。前者は見たままなので分かりやすいと思いますが、後者もかなり強力なコンボに成り得るので、是非覚えておいてください。

 

 

前回までで基本三型を説明し、今回はちょっとした例外構築について説明していきました。クルルXという組み合わせはS5現在で29通りあり、Aクルルまで加えると58通りの組み合わせが存在します。ですが、これらすべての組み合わせの様々な方について、過去八回で話した考え方から大きく逸脱するものはそう多くないと思います。

もし皆さんがクルルを使っていて構築の仕方に迷ってしまった時は是非このシリーズを読み返してみて下さい。このシリーズの存在が皆さんの助けになれると信じてこのシリーズは一旦締めさせて頂きたいと思います。

今後も何か面白いトピックが見つかりましたら番外編として書いていくと思うので、その際はよろしくお願いします。

 

それでは皆様、良いクルルライフを。

 

画像クレジット:ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME

『狂気の道への導きを』 第七回:『びっぐごーれむ型』後編

どうも、ますたーです。今回は前回に引き続きびっぐごーれむ型について書いていきます。後編ではおススメのメガミと構築について語っていきます。

 

第七回:『びっぐごーれむ型』後編

 

びっぐごーれむ型を組むにあたって、隣のメガミがどのようなカードを持っているのかは構築に大きな影響を与えます。特に以下のような特徴を持っているメガミは、この型の動きの助けとなってくれるでしょう。

 

・一枚でライフを取りやすい全力攻撃札を持っている。

・全力の付与札を持っている

・切り札に打ちやすい全力札がある

・ロックの働きをしてくれる全力札がある

・びっぐごーれむの始動を手助けしてくれるカードがある

 

相変わらず選択肢が多いですね。やっぱこの型初心者向けじゃないですよマジで…。一つ一つ説明していきましょう。

 

 

①ライフを取りやすい全力攻撃札を持っている。

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主なメガミ:ユリナ、ユキヒ、シンラ、ヤツハ等 

この型では攻撃を1ターンに固めて打てる機会は中々訪れません。ですので1枚でライフを持っていけるような全力攻撃は非常に重宝します。特にふりまわし/つきさしや詭弁などのライフに直接刺さってくれるカードを持っていると非常にゲームプランが立てやすいです。

 

②全力の付与札を持っている

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主なメガミ:サイネ、Aシンラ、Aライラ、ウツロ

びっぐごーれむは機巧成立後にすぐに再構成が発生するので、再びびっぐごーれむを起動させるためには、改めて二回全力札を使う必要があります。ですが全力の付与札を使用してびっぐごーれむを起動させた場合、付与の上に結晶が残った状態で再構成が行われる為、次巡に全力札を打つ回数が一回少なく済みます。納が大きい付与札ならば、それだけ場に残る時間も長くなるので、無音壁や大嵐などは非常に強力です。

 

③切り札に打ちやすい全力札がある 

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主なメガミ:ユキヒ、シンラ、サリヤ

先ほどの項目でも述べましたが、一巡で使う必要のある全力札の枚数は減らせば減らすだけ良いです。そのため、切り札から全力の機巧を出すことが出来れば、自動的に毎巡一回だけ全力札を使えばびっぐごーれむが起動するようになります。勿論、この切り札も何でもいいという訳では無く、出来るだけフレアが少ないほうが望ましいです。また天地反駁やどろりうらは、とるねーどでの打点補助にも繋がりやすく、非常におススメ出来ます。

 

④ロックの働きをしてくれるカードがある

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主なメガミ:ライラ、コルヌ

びっぐごーれむは起動するごとに相手とのライフ差をどんどんつけていくカードです。ですので空駆けや絶対零度を使用してレンジロックを仕掛けながらライフ差を付けていく、コントロール的な動きを狙う事も有効です。ですがこれらの動きは適切な間合とオーラの管理が必要になってくるので、最初の内はあまりおススメできません。

 

⑤びっぐごーれむの始動を手助けしてくれるカードがある

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主なメガミ:トコヨ、オボロ、サリヤ、ホノカ

前編で言う所の特殊な訓練を受けたメガミ達の事ですね。前編でも語ったので説明は省きますが、これらのメガミは初動が動かしやすいだけでなく、動き始めてからも優秀なものが多いです。初めてびっぐごーれむ型を練習したいという人は、これらのメガミから選んでみるのも良いかもしれません。

 

他にも様々な要素はありますが、大まかにびっぐごーれむ型への適正を纏めると上記の通りになります。

ではこれらを元にびっぐごーれむ型を使うにあたっておススメなメガミを紹介していきます。今回は、使いやすさと強さの両方を兼ね備えていることに焦点を当てていきます。

 

・サイネ(おススメ度★★★★)

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構築例

薙切り、石突(氷の音)、衝音晶(りふれくた)、無音壁、あくせらー、とるねーど、もじゅるー

音無砕氷、どれーんでびる、びっぐごーれむ

 

サイネを採用する理由は何といっても無音壁です。このカードを使う事で、最大三ターン連続でびっぐごーれむを起動させることが出来ます。この構築を組む場合、積極的にライフを奪っていくような動きは出来ませんが、えれきてる型の回でも説明した音無砕氷とどれーんでびるのコンボを使う事で、コントロールしながらライフを削っていく動きが出来ます。

通常サイネと第二章サイネのおススメ度はほとんど変わらず、通常サイネには衝音晶による安定した防御力があり、第二章サイネには氷の音を持っている事による初動の安定感があります。

徒神サイネは無音壁を失ってしまっているので、正直この型の適性の全てを失っているといっても過言では無いでしょう。

 

・オボロ(おススメ度★★★)

 

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構築例

鋼糸、影菱、誘導、分身の術、あくせらー、とるねーど、もじゅるー

壬蔓、どれーんでびる、びっぐごーれむ

 

この二柱のびっぐごーれむ型はその昔環境トップにいるほど強いデッキでした。今は当時ほど強くありませんが、それでも十分過ぎる強さを持った組み合わせと言えます。

基本的なライフプランは、壬蔓→誘導→あくせらー分身の術(鋼糸)というほとんど対応タイミングを挟ませない連撃で相手のライフを奪い、更にびっぐごーれむの再構成時に影菱でもう一点奪うというコンボを2∼3回当てて勝つというものです。壬蔓やもじゅるー下での分身の術などがあるので、一巡目からびっぐごーれむを起動させるのはかなり容易で、相手が前進強力してくれればいきなり分身鋼糸を当てる事も出来ます。

一方で状況に合わせて分身の術で使うカードを変える必要があるなど、初動に若干クセがあるのも事実なので、一概に初心者向けと呼んでいいかと言うと怪しい部分もあります。

 

・ユキヒ(おススメ度★★★★★)

 

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構築例

ふりはらい/たぐりよせ、ふりまわし/つきさし、ひきあし/もぐりこみ、あくせらー、くるるーん、とるねーど、もじゅるー

くるりみ、どろりうら、びっぐごーれむ

 

まさかの三回連続登場で、またユキヒ?と思う方もいるかもしれません。ですがこのユキヒというメガミはそれだけクルルとの相性が抜群なのです。

 つきさしによるライフクロックの取りやすさもさることながら、やはりどろりうらの存在がこの型では大きいでしょう。このカードは全力/付与というびっぐごーれむ型にとって最も強力な機巧を切り札から出し、少し当て辛さもあるつきさしの当てやすさにも寄与してくれるというあまりにも優秀過ぎるカードです。納7なのである程度ダストを必要とするため発動タイミングが非常に難しいカードではありますが、序盤にふりまわしを当てるなど出来ていれば発動の難易度は若干下がります。

 地味にどれーんでびるの変わりにコストの安いくるりみを採用出来るなどの利点もあり、びっぐごーれむの基本を学ぶのにとても適した二柱と言えるでしょう。

 

 

他にも紹介したいメガミはいますが、この項目は話し出すとキリが無いのでここまでにします。正直びっぐごーれむ型はメガミによって動きが大きく変わるので、前編で話した基本的な動きを元に、自分で動かしてみるのが一番良いでしょう。

 

『びっぐごーれむ型』は以上になります。

次回は基本三型以外のクルルのデッキについて、いくつか紹介していきたいと思います。

ではまた次回お会いしましょう。

 

画像クレジット:ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME

『狂気の道への導きを』 第六回:『びっぐごーれむ型』前編

どうもますたーです。オンライン大規模も終わり、本格的にオフシーズンに入ったので、久しぶりにこちらのシリーズを再開させようと思います。

 

ていうか遅くなってすいません!!!

 

 第六回:『びっぐごーれむ型』前編

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第六回はびっぐごーれむ型について解説していきます。びっぐごーれむはクルルの勝ち筋としてある意味最も分かりやすいカードかもしれません。条件を満たせば相手のライフを問答無用で1点奪い、ノーダメージで再構成が発生するので実質1点のライフ回復となる、発動するたびに2点ずつライフ差を付けていく強力な効果を持っています。

一方で見た目以上に機巧がハードな為、構築や運用が非常に難しくなっています。なので、クルル初心者向けの講座を謳っている当シリーズで紹介すべきか非常に悩みました。

ですが、クルルを使う以上避けては通れない構築であることは間違いないので、今回紹介していく事にしました。

 

 

びっぐごーれむ型の構築

 

基本構築

あくせらー、とるねーど、もじゅるー、全力札、自由枠、自由枠、自由枠

びっぐごーれむ、自由枠(出来れば対応札)、自由枠

 

恐らく基本構築はこんな感じになります。…はい、言いたいことは分かります。正直自分でも纏めてて思いました。

 

自由枠多過ぎね?

 

そうです。ここがまずこの型の第一の難所、メガミによって構築があまりにもバラバラだという点です。確かにえれきてる型も自由枠は多いです。ですがあちらは対応札を多めに積んで守りを固めるなど自由枠の採用方針は立てやすいものでした。しかし、この型の自由枠はそう簡単なものではありません。

びっぐごーれむの機巧を再確認しますが、必要な機巧は全力・全力・対応です。この3つの機巧は全てサブタイプで、同一のカードに存在する事はありません。つまり、全力と対応を適切に湧かせられるような構築を組まなければなりません。ですがその適切な比率はメガミによって大きく変わります。

切り札に軽い対応があるか、切り札に全力札があるか、通常札に強力な全力札があるか。正直分岐が多過ぎてキリがありません。もっと言えば、クルルがAクルルに変化した瞬間にその動き方や難易度も大きく変わります。

なので今回は自由枠の採用基準は一旦飛ばします。先に動かし方の基本的な考え方について説明していき、おススメのメガミを紹介するタイミングでカードの採用基準についても触れていきたいと思います。

 

このデッキの動かし方

 

では実際の動かし方に入っていきますが、先ほど述べた通り隣のメガミによってプランは大きく変わってきます。ですのでここで説明するのはマニュアル化された動かし方と言うよりも、どのように考えて動かすべきかという所に焦点を当てていきます。

 

 

びっぐごーれむの起動タイミング

 

まずびっぐごーれむの効果を使い始めるのはどのタイミングですが、早ければ早いだけ良いです。びっぐごーれむの機巧条件に二枚の全力があります。このうち1枚はあくせらーから使うことが出来ますが、1枚は基本的に通常通り使う必要があります。全力札を使ったターンは他の行動が出来ないので隙が出来やすいです。試合が進み、間合が近づいて戦いが激化する後半になればなるほど全力札を使う危険性は増していきます。ですので、本格的に開戦する前に一回びっぐごーれむの効果を使えるかどうかは結構重要です。

では1巡目から積極的にびっぐごーれむの効果発動を狙うとどうなるのでしょうか。

 

最速びっぐごーれむの罠

 

なるべく早くびっぐごーれむを動かす事の重要性は先ほど述べました。それなら1巡目にびっぐごーれむを動かせば最強じゃん!とそう考える方もいるかと思います。では実際に1巡目にびっぐごーれむを動かそうとするとどうなるでしょう。順を追って検証していきます。

 

1ターン目(手札3集中0 オーラ3 フレア0)

全力行動 とるねーど(任意の全力札)

 

先攻1ターン目は1番安全なターンですのでこのタイミングで全力の機巧を湧かしておきます。一見無意味な行動に見えますが、最終的にびっぐごーれむで1点奪えるので問題ありません。

この辺りの詳しい話は以下の記事にも乗っているので、こちらも是非読んでみて下さい。

https://maxc5297.hatenablog.com/entry/2019/12/09/152904 

 

 

2ターン目(手札4集中1 オーラ3 フレア0)[機巧:全力]

手札2枚で2宿し

 

びっぐごーれむを使うのに4フレア必要なのでここで手札を使って2回宿します。

 

3ターン目(手札4集中2 オーラ1 フレア2) [機巧:全力]

 

さてここからやらなければならないことを纏めると、

・びっぐごーれむを開ける

・対応の機巧を出す

・全力の機巧も出す

・上記の条件を満たすために全力はあくせらーから打つ

・あくせらーの為に付与の機巧も出す

この5つになります。察している方も多いとは思いますが、これ普通にやったらリソース足りませんよね?

一応以下の手順でリソースを足らすことは出来ます。

 

もじゅるー、対応/行動のカード使用(基本行動前進)、あくせらーから全力札(基本行動前進)、集中で2宿し、びっぐごーれむ(基本行動纏い)

 

これなら何とかびっぐごーれむの効果発動までこぎつける事は出来ます。ですがその代償に、こちらのオーラは1つか2つの状態で間合はだいぶ近い間合まで詰まってしまっています。これでは返しのターンに手痛い反撃を受けてしまうでしょう。そもそもこの動きは行動/対応の通常札を持っていないメガミでは成立しません。

つまり1巡目に安全にびっぐごーれむを開けられる状況なんて、よほど隣のメガミが特殊な訓練を受けていなければ発生しないのです。

ではどのように動かせば良いのでしょうか。それを次からの項目で説明していきましょう。

 

特殊な訓練を受けたメガミを使う

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 ↑特殊な訓練を受けている主なメガミ達

 

先ほど特殊な訓練を受けたメガミでなければ1巡目のびっぐごーれむは成立しないと言いました。ならば使えば良いのです、特殊な訓練を受けたメガミを。

ところで特殊な訓練を受けたとはメガミって何でしょう。それは急にAPを増強できるメガミ達の事です。例えばオボロなら壬蔓によるフレア増強や分身の術ともじゅるーを絡めた大量の基本行動の確保、サリヤならStuntやRoaringをもじゅるー下で発動させる等、要は今まで以上のAPが湧かせるようになれば良いのです。これならば通常よりも安全にびっぐごーれむを発動させることが出来ます。

 

1巡目を伸ばす

 

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先ほどの項目で、追加でリソースが湧く状況を作れればいいという事が分かったかと思います。実はこの方法、リソースが湧くカードを集める以外でも同じような事が出来ます。それが、1巡目を伸ばすという行為です。

例えば、2ターン目に要返しを使用してデッキにカードを2枚戻した場合、1巡目は4ターン目まで行う事になります。この場合4ターン目が生まれた事によって、追加で2ドローと1集中力を得るタイミングが発生しました。結果、びっぐごーれむを成立させるまでの間に得られるリソースが3つ分増え、無理なくびっぐごーれむを動かせるようになりました。

このパターンだとびっぐごーれむの起動が1ターン遅くなることに不安を覚えるかもしれません。ですが1巡目にびっぐごーれむを成立させられずに最初の起動が6ターン目とかになるよりは遥かにマシなはずです。この動きは他にも、ホノカの義旗共振などでも同様の動きを狙う事が出来ます。

ですがこれらの動きを行うためには、やはり選ばれたメガミを使わなければなりません。では他のメガミは諦めて2巡目の非常に遅いタイミングでびっぐごーれむを起動させならないのでしょうか。実はそんなことはありません。それが次の項目に登場する裏技です。

 

2ターン目に再構成する

 

もしかしたらこの記事を読んでいる皆さんの中には、対面のクルル使いにこんな動きをされたことがある人がいるかもしれません。

「初手手札2枚で2宿しエンド。…あ、ターン貰いますね。じゃあ再構成からとるねーど打ってエンドで」

何も知らないと本当に意味が分かりませんよね。急に2ターン目にライフを削ったと思ったら、無意味な全力カードを打ってターンを終えたのですから。

ですがここまで読んだ人ならこの行動の意味が分かるんじゃないでしょうか。そうです、この再構成は疑似的に1巡目を引き延ばしている行動なのです。手札1枚を残して再構成した場合、その山札を引き切るのは4ターン目です。しかも再構成時にフレアを1つ得ているので、かなり余裕をもって4ターン目にびっぐごーれむを動かす事が出来ます。

ここで一つ疑問に思うのは、わざわざ早いタイミングで再構成してまで4ターン目にびっぐごーれむを動かす意味があるのか?と言う事です。ですが考えてみて下さい。びっぐごーれむが一度動き始めれば、再構成ダメージは受けなくなります。そして普通にびっぐごーれむを動かそうとしても、安全に1巡目に開ける事は出来ず、どこかで再構成が必要になります。ならば手なりで動かして2巡目の最後である6ターン目から動き始めるのと、少し早めに再構成して4ターン目から動き始めるのではどちらが良いでしょう?この2ターン目再構成はそういった理由で生まれた動きなのです。

 

 

今回はずいぶん長くなってしまいましたね。次回はびっぐごーれむ型でおススメのメガミと構築について語っていきたいと思います。

 

それではまた次回会いましょう。

 

画像クレジット:ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME