オンライン大規模自戦記

お久しぶりです、ますたーです。

今回は8月8日と9日に行われたオンライン大規模のレポートを書いていきたいと思います。

 

今大会の選出に至るまで

 

今回のS5環境は皆さんご存知の通り、新登場したAライラ(以後嵐)が環境のトップメタを走り続けていました。個人的な意見として、相棒のハガネちゃんはライラを相手するのが苦手なので、今期序盤の段階で恐らく今期はハガネを大規模に連れていけないだろうという悟りを若干開いていました。(恐らく次シーズンでAハガネ来るだろうからその時に頑張ろう的な気持ちもだいぶありました)

一方で次なる相棒であるクルルは絡嵐がとても宇宙なデッキだったので、今期の採用候補としてかなり上位におり、今期は絡嵐Xを軸に当初は考えていました。

しかし潮目が変わったのは1月頃。環境に徐々にAサリヤ(以後新型)が増え始めます。クルルはこの新型に非常に弱く、対処するためにこちらも新型を採用したカウンター構築なども考えますが、結果的にこれは無理そうだなという結論に至り、絡嵐軸の三柱は破綻しました。

そこで、たまにはtier1を握ってみたらどうなるんだろうか?という思考に至り、当時から環境№1の名をほしいままにしていた戦新嵐を使って見ました。するとこの戦新嵐がそれはもう本当に強く、並みの三柱にはまず負けませんでした。一方で戦新という二柱があまりにも難しく、上位プレイヤーとこの三柱でミラーして勝てる気が全くしませんでした。

そこで、目に着けたのが今回の新嵐鏡でした。今期上方修正を受けて強くなった鏡を戦の変わりに採用したらこれはこれで強いのでは?と思い至り、2月末のくりすます会で試す事にしました。すると採用一戦目である東風夜さんの戦新嵐相手にいきなり新嵐を返され、「鏡返すと新嵐で勝てないと思うからミラーを選ぶ」*1という金言を貰い、自分の考えが間違っていないことを確信しました。新嵐は元々多少触っており、嵐鏡も団体戦の兼ね合いで一時期練習していたので、後は新鏡を詰めるだけだと残りの時間を新鏡研究に費やしました。

 

その後、新型コロナの影響による大規模の延期や、ステイホームに伴う有志のネット大会や電子版リーグなど様々な事がありました。しかしずっと心に決めていたことは、もし新潟大規模の代替大会があったら絶対にこの三柱を持っていくという決意でした。そして5~6月のふるよにサボり期間や7月の直前特訓期間を経て、ついに大規模当日を迎える事となりました。

 

対戦カード

 

今回はいつものスイスドローの大会ではなく、二日制のトーナメント方式の大会でした。そのため初日の段階である程度先が見える、いつもとは違った大会でした。

そうした状況で発表された初日のトーナメント表が以下の通りでした。

 

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見事に死のブロックに配置されました()

初戦・二戦目もさることながら三戦目が最大の山で、今回個人的に優勝候補に挙げていた五人の内の二人であるえりんちゃんと東風夜さんがいます。他のメンバーも各地で結果を残している人ばかりで、完全にヤバいところに入れられてしまいました。しかし、優勝するにはいつか強い相手を倒さなきゃいけないと腹を括り、大会に臨むこととしました。

 

 

初戦:Aサリヤ/AライラVSユキヒ/シンラ(Aユリナ)

 

初戦はのばさん。天音杯でも初戦で当たりましたね…。そして相手は古傘書というメタ外の三柱。初戦からいきなり胃が痛くなるマッチになりました。古傘と古書が厄介なのは言わずもがなと言った所でしたが、傘書についても色々型があり、様々なハメ技があるので油断はできません。とは言えこの三柱の打点と対応力なら何とか出来ると信じて古刀をBANしました。

 

構築

 

Burning Steam、Waveing Edge、Roaring、Turbo Switch、獣爪、暴風、風走り

BlackBox NEO、雷螺風神爪、陣風祭天儀

 

構築は標準的な変形型を採用し、後ろでふわふわ浮かれ続けるのが面倒だったので風走り投入してケア。今思うと無変形型にして大嵐を採用出来るようにした方が良かったですね。

 

試合は序盤から詭弁を何度か打たれながらもアスラに変形して攻めの準備を整える。道中の攻撃はTurbo Switchで相手の捌き、危険なタイミングでは間合に結晶置きながらゆらりのケアをするが、結果としてつきさしとかも絡んでライフを削られ、ライフの優位を取れない。最終的に祭天儀からリーサルを狙う展開になるが、フルハンド揃ったタイミングで絶妙に対応を突破しきれないことが分かり、途中まで攻めきれずにしゃがみを選択させられてしまう。何とか次ターンにリーサルを狙うが、再構成後の手札が弱かったので動けず、つきさしでライフを返される危機に陥ってしまう。しかしこのタイミングで空いては既につきさしを既に伏せていたようで攻めの権利をもう一度得る事に成功。結果、次ターンに手札が整ったため、相手を焦燥まで追い込んで勝利!切り札次第では危なかったので反省点が多い試合でした。

 

 

二回戦:Aサリヤ/AライラVS Aサリヤ/Aライラ(ヤツハ)

 

二回戦の相手は同じ関東のえりぃ君。マッチは三柱完全ミラーとなりましたが、この辺のミラーの想定は死ぬほどやっているのでネガティブな感情はありませんでした。しかし、このカードには最大の問題がありました。

実は前日にえりぃ君と久しぶりに対戦する機会があり、このマッチをたまたまやったのですが、その時にこのマッチについて自分が知っている事をものの見事にほとんど晒してしまったという事です。あまりにも愚か()。

とは言えこのマッチの全てを教えるまでの時間が無かったのは幸いで、まだまだこちらの手札のほうが多い状況は変わらないはずです。という訳で予定通りこちらは新嵐返し。*2マッチは想定通りの新嵐ミラーとなりました。

 

構築

 

Burning Steam、Waveing Edge、Quick Change、Roaring、暴風、風走り、大嵐

雷螺風神爪、陣風祭天儀、円環臨廻旋

 

まずは双方挨拶代わりの大嵐からスタート。2ターン目は双方Roaringを打ち、3ターン目の走り込みを牽制します。3ターン目に相手はオーラ5を構えるために間合6にタッチ、間合6に来たので一気に踏み込みます。返しに前進からBurning Steam→暴風(攻撃後前進)→風走り→Quick Change(ASURA)→Sigma Driveで一気にリードを奪います。

このリードを後押しするかのように次ターンはトップWaveing Edgeから再びの暴風。攻撃後効果で集中を上げ、Sigma Driveまで打ち込みます。

ここで祭天儀が開いてほぼ必勝形を確保。死体蹴りのごとくトップから大嵐を引いて展開すると、次ターンに残りライフ4点を削り切って勝利。研究した動きに引きがついてきてくれた勝利でした。

 

 

三回戦:Aライラ/ヤツハVSヒミカ/Aライラ(ヤツハ)

 

初日の大一番の相手はえりんちゃん。大会開始時にこの三柱を見た時、やられた、とはっきり思いました。この三柱は今大会のトップメタを絶妙に少し外していながらも、それらと遜色のない強さを保持しており、人によってはどの二柱もBAN想定ないし無検討なんてことが起きうる非常によく出来た三柱でした。幸い、今回対銃嵐の検討は多少していたのでBAN選びに困る事はありませんでしたが、正直どれが返ってくるかわからない不安な戦いとなりました。

 

構築

 

獣爪、暴風、風走り、暴風、星の爪、昏い顎、幻影歩法

陣風祭天儀、円環臨廻旋、双葉鏡の祟り神

 

相手のBANは新型。理由はいくつかあると思いますが、理由の一つにクリムゾンゼロがTurbo Switchで避けられることを嫌った、と言う事が考えられました。しかし、遠距離型も完全に捨てきる事は出来ません。ですので今回通常札に前進札を多めに積み、遠距離での連撃は豊富な対応で捌く、という作戦を取る事にしました。

構築が終わりこちらの先手。最初の3枚は爪と顎と風走り。初手では大嵐を打ちたいので3枚マリガンですね。流石に3枚マリガンすれば大嵐は来てくれるでしょう。

 

獣爪

暴風 

幻影歩法

 

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やってしまいました。この土壇場で1/7を引いてしまいました()

仕方なく大嵐無しで序盤のゲージを上げます。2ターン目にレバレマグラピを喰らいますが、返しに風走りから暴風→顎でライフを取り返します。

次ターンに再構成からトップ大嵐。普段なら納3で展開するのですがゲージが足りないので納2で展開。更に次ターンに風2雷4の祭天儀を開けます。ライフ5で命の危険を感じるこのタイミングで相手から放たれるのは暴風。クリムゾンゼロからのリーサルが怖かったので円環を吐いて後ろに下がります。

次ターンに雷1のバフから4/2星の爪、ここでライフが奪えたので振ってそのまましゃがみます。円環タイミングに攻めたくない相手は返しのターンに後退。この時点で相手の祭典儀が開いていなかったので、残りの切り札をクリゼロと風神爪と読み、相手は後ろで粘ってから風走りこみを狙っていると判断します。最悪後ろでの連撃には祟り神があるので、こちらも後ろでのしゃがみ合いに付き合います。

そこからは我慢のしゃがみ合い。こちらは絶対に相手のリーサル圏に入れないように丁寧にしゃがみ、最後は祭典儀の風2で集中を剥がして確実に前に行けない状況を作り上げて勝利。なんとか初日突破を決めました。

 

 

二日目

 

という訳で死のブロックを突破し、何とか二日目に駒を進める事が出来ました。初日終了時点で残っているのが以下の通りとなりました。

 

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やはり戦・新型・嵐・鏡が多く、一時は環境トップとも目されていた銃騎嵐、更にクルル入りが二人残っているという、想定通りと想定外が入りまじったベスト8となりました。 しかしここまで上がってきた以上全員が強敵です。油断せずに勝ちを目指していきましょう。

 

 

準々決勝:Aライラ/ヤツハVS Aサリヤ/Aライラ(Aオボロ)

 

ベスト8の相手はこうさん。前回の大規模でも上位入賞している方で、紛れもない強敵です。しかし、このマッチは最も検討したマッチで当日の自分は相当自信を持っていました。恐らく新鏡が返ってくるはずで、新鏡VS新嵐は若干の新嵐有利、でもここまでの自分の研究量をもってすれば間違いなくその差はひっくり返せると。そうして想定した通りのマッチに挑むのでした。

 

構築

Waveing Edge、Shield Charge、Roaring、Turbo Switch、星の爪、昏い顎、幻影歩法

BlackBox NEO、双葉鏡の祟り神、六葉鏡の星の海

 

構築は通常の1変形構築を採用。こちらの先攻で試合は始まり、双方NEOによるASURA変形を目指して序盤の動きを進めていきます。こちらが先攻を取ったため3ターン目に無事ASURAが着地。Roaringでの変形だった為ついでに相手に畏縮を撒きます。返しのターンに相手は変形せずにエンド。

正直ここで少し自分の心が緩んだのを感じました。相手の変形用カードがRoaringで、この時点で相手の変形が壊れたのでは?という淡い期待を正直してしまいました。

次のターンに幻影歩法からSigma Driveを打ち込みライフを奪い、満足してダストを枯らします。返しに相手はQuick Changeでオーラを剥がしながら前進、そのままASURAに変形してきます。こちらとしてはTurbo Switchをキープしておきたかったので星の爪を捨て、トップからは昏い顎がめくれます。返しにこちらはそのまま2ドローし、ここで引いてきたRoaringとShield Chargeでは1発Sigma Driveを振るのが限度だと判断。その場で1枚ディスカードしてエンドします。

 

結果から言いましょう。この試合の敗因はこの一手です。先攻5ターン目のこのタイミングで、この試合の命運は決まりました。

間違いなくこの時点でこちらは優勢でした。この時点でライフ2点のリードを奪い、相手は変形時に大きなリソース損を背負いました。ならばこのリソース差を保持しているうちに勝負を決めに行くべきでした。そもそもこの構築を組んだ以上、毎ターンマグロの様に動き続け、相手の最後の決死の反撃を祟り神やTurbo Switchで捌くというような立ち回りを狙わなければいけませんでした。しかしこの時点での優位で安心し、固く打てば勝てると判断してしまった一手こそ、負けへとつながる最悪な選択でした。

 

このターンを境に形勢はじわじわ悪くなっていきます。返しのターンに相手はNEOを展開。次ターンにこちらはトップから星の爪を引いたので動きますが、Sigma DriveにTurbo Switchを吐かれてしまいます。ここでもし前のターンにSigma Driveを打ちに行っていれば、もしかしたら当たっていたかもしれませんし、仮にそこでTurbo Switchを吐かれたとしても、二度目の変形を破壊することが出来ました。

返しのターンのSigma Driveをライフ受け。次のターンに幻影歩法を引いたのでShield Chargeを打ちに行きます。ここでTurbo Switchを切ってくれるなら変形が壊れて安心できたのですが相手はライフ受け。次ターンのNAGA変形が見えていたので、断腸の思いで4/2の星の海を切ります。

次ターンに相手は暴風から攻撃後の雷3で2/2を飛ばし、オーラとライフを削られます。ここで追撃のSigma Drive。これにTurbo Switchを切っていればまだ状況が変わったでしょうか。こちらとしてはライフ受けからKINNARIに変形してもらい、それを祟り神で反射してからリーサルを狙おうとしたのですが、相手はそこからNAGAに変形。次ターンに再構成しても祟り神を構えるのに1宿しが必要な状況になってしまいます。

こちらは返しに再構成から2枚ドロー。ここで星の爪と昏い顎が揃えば逆転リーサルでした。しかし、ここまでミスを繰り返した者に、運が引き寄せられるわけがありませんでした。相手のミス頼みでWaveing Edgeから攻めるも届かず、返しに祟り神とTurbo Switchの上からリーサルを取られて敗北となりました。

 

 

という訳で今回の大会はベスト8敗退と言う結果で終わりました。結果だけ見れば上位入賞と悪くなかったのですが、優勝を目指して過去一番頑張ったシーズンでの敗北、特に最終戦のマッチは通算60戦以上やったマッチだっただけに、その悔しさは過去最高に苦々しいもので、恥ずかしながら終わった瞬間に泣き崩れていました。(終了後のインタビューすらまともに出来ない状況でした。この場を借りて主催のBakaさんと対戦相手のこうさんに謝罪させて頂きます)

一方で、今回は過去最高に研究しまくったシーズンだったこともあり、大規模二大会連続上位入賞という形で結果を残せた事自体は純粋に嬉しく思っています。

様々な事があった激動のS5でしたが、今シーズンは今までで一番楽しいシーズンだったかもしれません。自分のやっている研究がそのまま強さに繋がっていく事がありありと感じられ、やっていて非常に充実感がありました。

来シーズンがどのような環境になるかは分かりませんが、今シーズンのように楽しい体験が出来るシーズンであることを心より祈っております。

 

最後になりますが、今回の大会に向けて一緒に練習してくれた皆さん、ありがとうございました。来期はハガネのアナザーが来る(と信じている)ので来期はハガネちゃんで頑張ろうかと思います!

*1:これは当時の話で、ここから当日までの間にこの二柱の相性は10回以上ひっくり返りました。最終的には新嵐側が微有利くらいに落ち着いたと思います

*2:新鏡VS新嵐は新嵐微有利と前述しましたが、新鏡ミラーだと運の比重が高くなりがちで安定しないので、自分の研究に最も自信がある新嵐を返しております